新潟県佐渡では毎年だいたい4月15日前後に各集落ごとに鬼太鼓や鬼踊りが家々を訪問して門付け(かどづけ)をする春の祭りが行われています。
門付けとは福を呼ぶ縁起物で、太鼓の音と鬼の舞により邪気を払い、五穀豊穣・商売繁盛・家内安全などを願います。
門付けは喪に服しているために除き、全ての家々を回る場合とお願いされた家だけ行く場合とありますが、だいたい家の前や広い場所で行われるので誰でも見学することができます。
佐渡の各地で鬼太鼓は舞われているのですが各集落ごとに鬼太鼓の面や衣装、舞、曲、太鼓のたたき方やリズム、掛け声など違っています。
どの集落の鬼太鼓も個性的で、集落の子供たちは小さい時からその土地の伝統芸能に触れながら大きくなり、地域によっては舞や太鼓だけでなく笛や三味線なども教えているところもあります。
どの集落でも自分たちが継承してきた伝統芸能を大切に次の世代に引き継いできています。
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2019年4月、私は島開きの時期に佐渡に訪れていました。
たまたま買い物に行ったスーパーの前に人だかりができていたので近づいていると太鼓の音が鳴り始めました。
「あ!鬼太鼓だ!」
そう思ってすぐにスマホのカメラで撮影を始めました。
その頃はまだコロナなどなく、人々は素顔で生活していて人との距離が近くても誰も気にせず、笑顔で穏やかな世界がそこにはあり、本来、お祭りとはこういうものでした。
誰もがにこやかに門付けを見守り、希望にあふれた春の訪れを祝福している様子をご覧ください。
『鬼太鼓の音は 佐渡の春の訪れの音』
地元の佐渡を離れて15年は経ちますが、未だに太鼓の音を聞くと鬼太鼓を思い出します。
コロナ禍になり、ここ数年は鬼太鼓もお祭りも休止や縮小を余儀なくされてきましたが、感染症に気を付けつつ伝統に誇りをもって未来に受け継いでいってもらいたいです。
私以外にも遠く離れた故郷・佐渡に想いを馳せて、この動画を見てくれた人が懐かしいと思ってくれたら嬉しいです。
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