自分の親の死後の不安と自分と家族が亡くなった後、残された子供にお墓の後継で負担をかけたくないという想いを持ち、永代供養をしてもらえて年間管理費がかからないお墓を探していました。
自分の住んでいる市内にその希望を叶えられる霊園を見つけて家族で訪問し、担当の方から色々なお話を聞いて、この霊園にお世話になろうと決心しました。
そして次は色々あるお墓から自分達に合うものを選ぶことになりました。
色々あるお墓の種類 お墓を死後に暮らす家に考えると・・・
私が契約した霊園では大きく分けて5種類のお墓が用意されており、自分の希望のお墓を選択することができました。
お墓の特徴を知ると不謹慎かもしれませんが、なんだかお家のようにも感じられました。私個人の考えも含めていますが、お墓の種類と特徴をまとめてみました。
一般墓
一般墓は形や石の種類などのグレードによって金額がだいぶ違ってきます。
墓石の種類や色、形、彫る文字や絵など予算や好みに応じて建てることが可能なので戸建ての注文住宅のように感じました。
お墓はこうでなければいけないという固定概念を取り払い、生前に死後の住まいを自分の好きな様に準備できるのはとても魅力的に感じました。
これは年間管理費がかかるので、家として考えると固定資産税というところでしょうか。
個別納骨墓
個別納骨墓は一つずつ部屋の様に区画が分けられていて、大きなマンションの様な感じでした。
これは相続する人がいなくなったり、年間管理費が支払われなくなったらお骨を合同墓に入れ替えるしくみになっているので、年間管理費が家賃代わりの賃貸のマンションのようだと感じました。
合同墓
合同墓は大きな一つのお墓で区画はなく、自分や家族以外の人も一緒の所に納骨されるお墓です。
これは永代供養墓で子孫がお墓を継承しなくても、永代にわたって供養をしてもらて、値段も安く、年間管理費も不要です。
お墓自体は大きいのですが、お骨は全て同じところに入れられるので、暮らしに例えると大きな部屋に他人同士がすむシェアハウスのような感じでしょうか?
入居する際にお金を支払えばその後は無料でずっと住むことができますが、ワンルームなので入居者が増えていくと少しずつ部屋は狭くなっていきます。
樹木葬
ここの霊園の樹木葬は、一本のシンボルツリーが芝生の丘の上にあり、その周りに区画を設けて穴を掘り、その穴の中に遺骨を埋葬するという方法。一つの区画に四名まで納骨できる。
墓石は持たずシンボルツリーを墓標代わりとするので住まいに例えると、大きなシンボルツリーのあるキャンプ場でそれぞれ割り当てられたキャンプサイトに各キャンパー達がテントやタープを立てて、大空を眺めながら足を延ばして寝っ転がるというイメージ。
ソロキャンの人もファミリーキャンプの人もそれぞれが自分の
金額は一人30万円からと合同墓より少し高いと思っていましたが、ここには一区画四霊位まで納骨が可能でした。
一霊位納骨 30万円
二霊位納骨 40万円 (一人20万円)
三霊位納骨 50万円 (一人約17万円)
四霊位納骨 60万円 (一人15万円)
と、入る人数が増えるほど一人分の金額が安くなる仕組みでした。
わが家の場合、私の父と母、主人、私の四人が入るので一人分は15万円の負担で済むことになり、合同墓と同じ金額で樹木葬ができる事になるというのもあり、樹木葬にしました。
お墓の契約
お墓の種類を選んだら次は契約です。
契約はお墓の種類によって少し段取りが異なります。
一般墓・二霊墓
①墓石設立の場所を決める
②契約
必要なもの 印鑑、代金全額(翌日振込可)
➂墓石の形状・石種、彫り文字の打ち合わせ
④墓石建立
※契約から墓石完成まで約2か月程度かかる。
建立時期や石種によっては3か月程度かかる場合もある
⑤墓石引き渡し
合葬墓・樹木葬
①契約
必要なもの 印鑑、代金全額(翌日振込可)
②記銘石板、記銘プレートの彫り文字の打ち合わせ
※契約から石板・プレートの完成には3週間程度かかる
③石板・プレートが完成したら連絡がくる
④お骨を持っている場合 → 納骨の打ち合わせ
生前契約の場合 → 石板・プレートは霊園で保管
という流れになります。
私の場合は樹木葬で契約をしましたので、印鑑を持って行き、現金を手渡しで一括払いで支払いました。これでもうお墓に関して一切の支払いは生じません。
最初は家族そろって合葬墓にしようと考えていました。
無宗教でお墓の形状にそこまでこだわりがないとはいえ、見知らぬ人と同じお墓に入るのよりも、家族だけで樹木葬というキャンプをする方が自由でのびのびとできるような感じがしました。
私の家族も同じ考えを持っていて樹木葬が良いという意見で一致し、契約を交わしました。
契約を交わした後、心境の変化が訪れた
お墓の契約が済んで外に出た時、晴れ晴れとした気持ちになりました。
これで両親や自分達が亡くなった時にお墓を探したり納骨の心配をすることがなくなり、最後に残される私の子供に墓守の負担を背負わせることもなくなったのです。
もちろん、お墓参りを望めばいつでも行って手を合わせることもできます。
生きていると将来の事が色々不安になることがあります。何かあるたびにお金が必要となったり、重要な事なのに考える時間もなくすぐに決定しなければならない時があったりします。
心配性の私はそれがとても怖くてストレスで、自分や家族に何かあった時どうしようと、いつも心のどこかで不安を感じていました。
でも、人生の最後に眠る場所については何の心配もなくなり、誰の迷惑にもならず親や主人と同じ場所で眠れるという保証が得られたことにより、心の不安が一つ解消され、たとえようのない解放感を感じました。
変な言い方ですが、自分が亡くなったらあの素敵な霊園のシンボルツリーの下でのびのびとキャンプができる!と思うと、その日まで毎日を楽しみながら頑張ろう!と思うようになり、心の負担が軽くなった分だけ気持ちに余裕が生まれイライラすることが前より減り、今まで以上に家族との生活を楽しみ、色々な事に挑戦しようという気持ちを持つようになりました。
私にとってお墓のことを考えることは、普段は考えることを無意識に避けていた生や死について考えることでもありました。
最初に霊園を見学をしに行った時、幼い子供も連れて家族みんなで行きました。子どもはまだ生と死についてそこまで知識はなく「ここは何する所?お墓ってなに?」と聞いてきました。
そうしたら、ここは亡くなった人が眠る場所で、人が死んだ後はどうするのかなど、家族の中で一番年長の父が子に話してくれました。
天気が良くて空がキレイな秋の日、花が咲き爽やかな風が吹く中、おじいさんと小さな孫が園内を歩きながら穏やかにそんな話をしている姿を見て、なぜだか目頭が熱くなりました。
三歳の子がどこまで理解したかはわかりませんが、「おじいちゃんたちがいつかここでねんねするならいっぱい遊びにくる!この場所好き」と言ってくれました。
墓守などの負担を掛けたくないからここにしようかと思っているのに、いっぱい遊びに来てくれると言ってくれたことには皆で笑ってしまいました。
幼い子供がお墓についてネガティブな印象を持たず、明るい気持ちで来られる霊園に契約をできたことはとても良かったです。
まとめ
お墓には様々な種類があり、お墓を死後に暮らす場所だと考えると、一軒家や賃貸マンション、ルームシェア、キャンプなど色々なタイプに分けることができるけれど、後悔のないように自分にあったものを選ぶのが重要です。
人生でいつかは考えなければいけないお墓についてのこと。自分自身がある程度決めないと残された人が困ったり負担になったり、大切な人に苦労をかけてしまうかもしれません。
それを元気なうちに調べて自分が納得できる場所と形態であるのであれば生前契約を行うのがお勧めです。
私は、自分自身と主人、しして私の両親のお墓を全員が元気なうちに話し合って決めることができ、一つ不安が解消されて、とても心が軽くなりました。
そうすると気持ちに余裕が生まれて、日々の生活が一層明るくなり一日一日をより大切に過ごそうという思いが芽生えました。
この機会に、自分自身や家族のお墓のことを考えてみるのはいかがでしょうか。
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