佐渡観光パンフ『佐渡さんぽ』を比較してみた|File.15 目次&特集編(最終回)

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歴代の佐渡観光パンフレット『佐渡さんぽ』を並べて、その時代の空気感や観光戦略の変遷を比較していくこのシリーズも、ついに今回が最終回となりました。

表紙、グルメ、体験、モデルコース、アクセスと、さまざまな角度から佐渡旅の歴史を掘り下げてきましたが、最後を締めくくるのは「目次&巻頭特集」です。

パンフレットの巻頭ページと目次は、言わばその冊子の「設計図」。

その年、佐渡が誰に向けて、何を一番のおすすめポイントとして伝えたかったのかがわかります。

2013年から最新の2026年まで、13年間の佐渡の振り返ってみましょう。

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本記事をお読みいただく際のご注意

※当ブログで紹介しているパンフレットは、すべて私が個人的に保管していたものです。

※掲載情報は発行当時のものであり、現在の状況とは異なる場合があります。最新の情報は各施設・店舗の公式HP等をご確認ください。

※個人的な記録のため、施設への詳細なご質問にはお答えできません。ご了承ください。

2013年:新名所とGIAHS、全方位を網羅する「総合ガイド」の時代

まずはシリーズの原点、2013年版。

目次の構成は「体験」「自然」「海あそび」「史跡散策」と、旅の目的が分かりやすく並んでいます。

目次ページには、「Sanpo Girl」の女性たちが登場し、「佐渡の魅力をしっかりレポートします!」と笑顔で旅へと誘っていますね。

佐渡のゆるキャラで私も大好きなブリカツくんや、コブダイ、あんぽ柿といった佐渡ならではの名物が並び、親しみやすさが前面に出ています。

巻頭をめくると、鮮やかなブルーを背景に「自然と朱鷺と共生する 美しき希望の島・佐渡。」という力強いキャッチコピーが目に飛び込んできます。

2012年の「放鳥トキ二世誕生」や「日本初のGIAHS(世界農業遺産)認定」といった当時の最新トピックスが大々的にフィーチャーされており、2013年4月にオープンを控えていたトキの森公園内「トキふれあい施設」が新しい目玉として紹介されていました。

2018年〜2020年 美しいビジュアルで魅せる「佐渡彩景・幻景」の時代

中期に入ると、目次と特集の雰囲気は劇的に変わります。

賑やかな雰囲気から、見開きいっぱいの圧倒的な「絶景写真」で魅せるアートな誌面へと進化しました。

2018年 息をのむ「佐渡彩景」の確立

もくじはこれまでのジャンル別から「金銀山・相川」「宿根木」「両津・新穂」といった【エリア軸】へと移行し、周遊を意識した作りに変わっています。

島が持つ自然のポテンシャルをドラマチックなビジュアルで表現。

「彩りあふれる絶景を体感してください」と、大人の旅情を刺激する構成になりました。

いつまでも変わらない佐渡の美しい風景が佐渡を離れた私の胸に刺さります。

2019年 モザイクレイアウトと島の四季

もくじや美しい佐渡の風景など2018年の『佐渡彩景』の世界観を引き継ぎつつ、誌面は大小の写真を組み合わせたグリッド(モザイク風)レイアウトになっていました。

絶景だけでなく、鬼太鼓や薪能といった伝統芸能、ひまわり畑や田植えといった「島の暮らしと文化」が色彩豊かに散りばめられ、島の空気感がわかるような感じにしたのだなと思いました。

2020年 世界遺産への予感

目次トップの表記が「金銀山エリア」から「佐渡金銀山」という具体的なスポット名へと変わり、世界遺産登録への意識がにじみ出始めています。

またキャッチコピーのタイトルが「佐渡幻景」となり、ただ美しい風景だけでではなく、より神秘的で幻想的な一瞬の写真が使われるようになりました。

佐渡は自然あふれる観光地がたくさんありますが、地元の人しか知らないような秘境もたくさんあります。

2021年 伝統芸能のエネルギーと、時代を映した「長期滞在」

2021年版は、これまでの美しい自然グラビアに加えて、もう一つの大きな柱が登場します。それが「佐渡祭景」です。

誌面の上半分にはたらい舟の美しい半水面写真などの「自然の美(彩景)」を配し、下半分には髪を振り乱して躍動する鬼太鼓のアップという「祭りの熱量(祭景)」。

佐渡の持つ「静と動」のコントラストが非常に力強いです。

そして、この年の目次には、新しく「佐渡島の3つの宝」「佐渡ロングステイのすすめ」という項目が加わりました。

私の推測ですが、ちょうどコロナ禍において密を避けた旅や、ワーケーション、長期滞在といった新しいライフスタイルが注目された時期も反映されていたのかもしれません。

その時代のニーズに、パンフレットも寄り添っていたことが伺えます。

2025年〜2026年 世界遺産登録と、個のストーリーへ「没入」する現代

そして2024年の「佐渡島の金山」世界文化遺産登録を経て、現在の最新形へと到達します。

ここでは、これまでの「エリアで区切るガイド」という概念が完全に覆されました。

2025年 世界遺産を入り口にしたスタイルへ

巻頭で世界遺産登録を宣言し、右半分には日本地図を交えたアクセスを集約。

目次からはエリア別の文字が消え、「春旅・夏旅の目的はコレ!」といった【季節軸】や、「食の豊かさに感動!!」「島のカフェをめぐる」「日本酒・ビール好きが楽しい島」といった、旅行者の趣味嗜好に寄り添った【テーマ・目的軸】へと大改革が起きました。

写真は遠くから眺める絶景から、船のデッキからの景色や日常のひとコマといった「旅のストーリーへ没入させる」情緒的なカットに変わっています。

2026年 シンプルで洗練された自分だけの旅へ

最新の2026年版では、人物が「女性の一人旅(モデル)」へと変わり、キャッチコピーも「船に乗った瞬間から旅が始まる」へと変化。

より洗練された「個の体験」を強調しています。

さらに目次は、前年の全29ページから、全17ページのスマートな構成にリニューアル。

個人的にはちょっと物足りないと感じました。もっとページ数があった方がいいと思ったのですが、時代の流れなのか経費削減でこうなったのかもしれないですね。

「世界遺産を知る」から始まり、食、自然、文化、体験プラン(サドベンチャー!)、そして宿泊や移動手段へと、無駄のない流れるような美しい設計図が完成しています。

『佐渡さんぽ』目次・特集の変遷まとめ

13年間の『佐渡さんぽ』巻頭・目次ページの進化を一覧表にまとめました。

歴代のパンフレットを並べて見えてきたもの

2013年の「あれもこれも載っている親近感のあるガイドブック」であった『佐渡さんぽ』は、時代とともに美しさを磨き、メッセージ性を深め、現在はは「世界遺産という偉大な歴史を宿した島で、あなただけの特別な時間を過ごすためのライフスタイル提案する冊子」へと、進化を遂げていました。

ページをめくるたび、そこには単なる観光地の紹介だけでなく、制作された方々の「佐渡のここを見てほしい!」「こんな風に楽しんでほしい!」という熱い想いが、時代ごとの空気感とともにぎっしりと詰まっているのを感じます。

私が個人的に集めていた古いパンフレットたちが、こうして13年間の佐渡の観光の歴史を見せてくれる貴重なタイムカプセルになったことが嬉しく思います。

世界遺産に登録され、新しく変化し続けている佐渡。

皆さんもぜひ、新しい『佐渡さんぽ』を片手に、船に乗った瞬間から始まる特別な旅を体験しに、島へ出かけてみてほしいです。

全6回の、このマニアックな比較シリーズにお付き合いいただきありがとうございました!

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